ペーパーレス化を「いつかやる」と思いながら、何年も後回しにしている企業は少なくありません。
2026年現在、改正電子帳簿保存法の宥恕措置は実質的に終了し、「紙で残せばいい」という前提が通じない時代になっています。
この記事では、中小企業がペーパーレス化を進める際の手順・よくある失敗・オフィス移転と組み合わせるメリットを、RIKEN TOKYOの実践をもとに解説します。
ペーパーレス化とは、紙の書類をデジタルデータに置き換え、業務プロセスごと再設計する取り組みです。
「スキャンしてPDFにする」だけでは本来の意味でのペーパーレス化とは言えません。
| 用語 | 意味 | ペーパーレスとの関係 |
|---|---|---|
| 電子化 | 紙をデジタルデータに変換する行為 | ペーパーレス化の手段の一つ |
| デジタル化 | デジタル技術を業務に組み込んで効率化する取り組み | ペーパーレス化はここに含まれる |
| DX | デジタル技術で組織・ビジネスモデルを変革すること | ペーパーレス化はDXの一部 |
| ペーパーレス化 | 紙に縛られた業務の非効率を解消すること | 上記を組み合わせた実践的な取り組み |
重要なのは、「紙をなくす」ことを目的にしないことです。
目的は「業務効率の改善」と「法対応」であり、ペーパーレス化はその手段です。
2024年1月から、電子取引データ(メールやクラウドで受け取った請求書など)の電子保存が義務化されました。
これまで猶予措置として認められていた「紙に印刷して保存」は、2026年現在、実質的に認められない運用に移行しています。
税務調査では「電子取引データを電子のまま保存しているか」「検索要件を満たしているか」が確認されるようになっており、「システムが未導入だから紙でよい」という説明は通用しにくい状況です。
詳細は国税庁の公式情報でご確認ください:電子帳簿保存法について|国税庁
中小企業では、書類の印刷・押印・ファイリング・検索に費やしている時間が、限られた人材の稼働を圧迫しています。
「月末に経理担当が請求書照合だけで丸2日かかる」「過去の契約書を探すために書庫を何往復もする」といった状況は、ペーパーレス化で大幅に改善できます。
フリーアドレスやテレワークを導入しようとしても、紙の書類が特定の場所に縛られている限り、運用が成立しません。
ABWや柔軟な働き方を実現するためにも、ペーパーレス化はセットで進める必要があります。
RIKEN TOKYOの視点
RIKEN TOKYOは、WeWork丸の内10階への移転にあわせて、自社でもペーパーレス化を実践しました。
移転前の書類棚卸しから、SharePoint・OneDriveを使った文書管理体制の整備、複合機の見直しまでを一気に進めることで、移転後のフリーアドレス運用がスムーズに立ち上がりました。
「オフィス移転と同時にペーパーレスも進めたい」という相談は、私たち自身の体験をもとにご支援できます。
ペーパーレス化が頓挫する企業の多くは、やり方ではなく「出発点」を間違えています。
「来月から全部ペーパーレスにします」という宣言だけで進めると、現場が混乱して元に戻ります。
紙と電子が混在する「中途半端な状態」が最も非効率です。
クラウドストレージを契約しても、ファイル名のルール・保存場所・アクセス権限が決まっていないと、「結局どこに保存すればいいかわからない」という状態になります。
「デジタルにすれば大丈夫」という思い込みで進め、タイムスタンプの付与や検索機能の確保といった要件を満たしていないと、税務調査で問題になります。
自社だけ電子化しても、取引先が紙を要求する場合は両方の対応が必要になり、かえって業務量が増えます。
まずは自社の課題を整理したい方へ
「何から始めればいいかわからない」という段階でも、RIKEN TOKYOにご相談いただけます。 現状の書類フロー・複合機の使われ方・Microsoft 365の活用状況を確認した上で、無理のない進め方をご提案します。
ペーパーレス化は、次の順番で進めると現場の混乱を最小限に抑えられます。
まず、社内にどんな種類の書類がどれだけあるかを把握します。 「紙で残す必要がある書類」と「デジタル化できる書類」を仕分けることが、すべての出発点です。
棚卸しチェックリスト
すべてを一度に電子化しようとすると頓挫します。
最初は「取引先に影響しない社内書類」から始めると、抵抗感が少なくスムーズに進みます。
| 優先度 | 対象書類の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | 会議資料・社内回覧・経費精算 | 取引先に影響しない。効果がすぐに出やすい |
| 中 | 請求書・見積書・発注書 | 取引先との合意が必要だが、法対応の観点でも重要 |
| 低 | 契約書・法的証拠として必要な書類 | 慎重に進める必要がある |
ツールを入れる前に、運用ルールを先に決めることが重要です。
「どこに保存するか」「ファイル名のルール」「アクセス権限の設定」「保存期間」を明文化します。
Microsoft 365を導入済みの場合は、以下を活用できます。
| 用途 | 使えるMicrosoft 365の機能 |
|---|---|
| 書類の保管・共有 | SharePoint / OneDrive |
| 承認フロー・ワークフロー | Power Automate |
| 会議のペーパーレス化 | Teams(資料共有・議事録) |
| 電子署名 | Microsoft Entra IDとの連携 |
新たなツールを追加する前に、すでに使えるMicrosoft 365の機能を活用することで、コストを抑えながらペーパーレス基盤を整えられます。
1〜2種類の書類に絞り、特定の部署だけで試験運用します。
現場の課題や使いにくい点を早期に把握して、全社展開前に改善することが成功のカギです。
試験運用の結果を共有し、社内マニュアルを整備したうえで全社展開します。
「ツールを入れたら終わり」ではなく、現場への伴走と定期的な見直しが定着の鍵です。
オフィス移転では、物理的な書類の移動が発生します。
このタイミングに合わせて書類の棚卸しを行うことで、「移転先に持ち込む書類」と「電子化・廃棄する書類」を自然な流れで仕分けられます。
また、移転後のオフィスでフリーアドレスやABWを導入する場合、そもそも個人の書類棚が存在しないため、ペーパーレス化が前提条件になります。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 移転決定直後 | 書類の棚卸し・電子化対象の決定 |
| 移転3ヶ月前 | ツール選定・運用ルール策定・社内周知 |
| 移転1ヶ月前 | 試験運用・課題の洗い出し |
| 移転後 | 全社展開・定着確認・複合機の再設定 |
オフィス移転前にペーパーレスも進めたい方へ
移転後に「書類の山をそのまま持ってきてしまった」という後悔は少なくありません。
RIKEN TOKYOでは、オフィス移転の計画段階から、ペーパーレス化の進め方を含めてご相談に対応しています。
オフィスツアーでは、RIKEN TOKYO自身のWeWork丸の内オフィスで実際のペーパーレス運用をご覧いただけます。
RIKEN TOKYOでは、ペーパーレス化に必要な環境をまとめてご相談いただけます。
「書類の話だけ」「複合機の話だけ」ではなく、オフィス環境・IT環境・運用設計を一体で考えられる点が特長です。
| 支援内容 | 具体例 |
|---|---|
| 現状整理 | 複合機の印刷枚数・用途の確認、書類フローの棚卸しサポート |
| 複合機の選定・更新 | RICOH IMシリーズなど、スキャン・クラウド連携に対応した機器の提案 |
| Microsoft 365の活用支援 | SharePoint・OneDriveを使った文書管理体制の設計 |
| ネットワーク整備 | ペーパーレス運用に必要な社内ネットワークの設計・工事 |
| オフィスレイアウトとの統合 | フリーアドレス・ABWと組み合わせたオフィス設計 |
| 運用定着支援 | 導入後の社内ルール整備・フォローアップ |
詳しくはWork Designページをご覧ください。
中小企業がペーパーレス化を進めるうえで押さえたいポイントをまとめます。
ペーパーレス化でお悩みの方は、現状の課題からお気軽にご相談ください。
RIKEN TOKYOでは、オフィス移転の有無にかかわらず、現在の書類フローを整理したうえで、無理のない進め方をご提案します。
まずは社内書類(会議資料・経費精算・社内回覧)から始めるのが現実的です。取引先に影響しない書類から小さく始めることで、現場の混乱を抑えながら成功体験を積み重ねられます。
使えます。SharePoint・OneDriveを使った文書管理、Power Automateを使った承認フローの自動化、Teamsを使った会議ペーパーレス化など、追加費用を抑えながらペーパーレス基盤を整えられます。RIKEN TOKYOでは活用状況を確認したうえでご提案します。
できます。むしろオフィス移転のタイミングは、書類棚卸しと電子化を一気に進める最大のチャンスです。移転先でフリーアドレスを導入する場合は、ペーパーレス化が前提になるため、計画段階から一緒に設計することをおすすめします。
まず、電子取引(メールやクラウドで受け取った請求書など)が社内で発生しているかどうかを確認してください。発生している場合は電子保存の対応が必要です。詳細な判断は税理士や顧問会計士にご確認ください。RIKEN TOKYOでは、対応に必要なシステム・ネットワーク・複合機の環境整備をサポートします。
相談できます。RIKEN TOKYOでは、情シス不在・兼任の中小企業でも進めやすいよう、現状整理から導入・運用定着まで段階的に支援します。