「UTMを導入したいが、どの機種を選べばいいかわからない」「複数のメーカーから見積を取ったが、スペック表の見方が難しい」——情シス担当者・購買担当者からよく聞く声です。
この記事では、UTM選定で最初に確認すべき判断基準、規模別の選び方の目安、見積を取る際に準備すべき情報を、実務目線で整理します。
UTMとは、ファイアウォール・不正侵入検知(IDS/IPS)・アンチウイルス・Webフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を1台に統合した機器のことです。
機種選定では、価格だけで比較すると自社に合わない製品を選んでしまうことがあります。
なお、UTMを含めた中小企業のセキュリティ対策全体の進め方・優先順位については、中小企業のセキュリティ対策、何から始める?UTM・EDR・バックアップの優先順位を解説で整理しています。
すでに導入の優先順位を把握したうえで、具体的な機種選びに進みたい方は、このまま読み進めてください。
情報セキュリティ対策全般の公的な指針については、IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も参考になります。
カタログに記載されているスループットの多くは、セキュリティ機能をオフにした状態、または通信をほぼそのまま通す状態での数値です。
実際にIPS・アンチウイルス・Webフィルタリングなどをすべて有効にした状態での「実効スループット」は、カタログ値より下がるのが一般的です。
あわせて確認したいのが「同時セッション数」です。この数値が小さいと、Web会議やクラウドサービスの利用が重なるピーク時に通信が詰まりやすくなります。
従業員数だけでなく、Web会議を同時に行う人数やクラウド業務システムの利用状況もあわせて確認することが大切です。
本社1拠点のみか、複数拠点があるかによって、選ぶべき構成が変わります。
すべての拠点の通信を本社経由にする構成では、本社側のUTMと回線がボトルネックになりやすくなります。
拠点が増える場合は、拠点ごとの直接接続や、VPN設計とあわせた検討が必要です。
UTMは本体を購入すれば終わりではなく、IPS・アンチウイルス・Webフィルタリング・アンチスパムなどの機能ごとにセキュリティライセンスが必要になるのが一般的です。
本体価格が安く見えても、必要なライセンスをすべて含めると総額が変わるため、「本体価格+ライセンス費用+更新費用」で比較することが重要です。
導入後にファームウェア更新・設定変更・障害対応をどこまで自社で行うか、どこから販売店・保守ベンダーに任せるかも選定時に確認しておきたいポイントです。
情シス担当者が不在・兼任の企業では、設定変更や監視まで任せられる保守体制があるかどうかが、導入後の負担を大きく左右します。
| 判断項目 | 確認すべきこと | 見落としやすい落とし穴 |
|---|---|---|
| 実効スループット | 全機能ON時の処理性能、同時セッション数 | カタログの最大値だけで判断してしまう |
| 拠点数・回線構成 | 本社集約か拠点ごと接続か、将来の拠点増加予定 | 現状の拠点数だけで機種を決めてしまう |
| ライセンス範囲 | IPS・アンチウイルス・Webフィルタ等の対象範囲 | 本体価格のみで比較し、更新費用を見落とす |
| サポート体制 | 設定変更・監視・障害対応の範囲 | 導入後の運用負荷を確認せずに契約する |
明確な線引きがあるわけではありませんが、実務上は次のような目安で検討が始まることが多い領域です。
あくまで目安のため、実際の選定では利用状況をもとにした個別確認が必要です。
| 企業規模の目安 | 検討されやすい観点 | 注意点 |
|---|---|---|
| 従業員10〜30名規模 | 本体・ライセンス費用を抑えつつ基本機能を確保する構成 | 将来の従業員増加・拠点増加を見込まずに選ぶと早期の買い替えにつながる |
| 従業員30〜100名規模 | Web会議・クラウド利用を踏まえた実効スループットの確保 | カタログスペックのみで選定し、ピーク時に処理が追いつかないケースがある |
| 従業員100名〜・複数拠点 | 拠点間VPN設計、集中管理機能、冗長構成 | 単体機器の比較だけでなく、ネットワーク全体設計とセットで検討する必要がある |
RIKEN TOKYOで取り扱いのある主なUTM製品には、それぞれ異なる特徴があります。
詳細なスペック・型番は利用環境によって異なるため、比較検討の際は個別にお問い合わせください。
| メーカー・製品 | 特徴の傾向 | 向いている検討シーン |
|---|---|---|
| FortiGate | 幅広いラインナップがあり、小規模から大規模まで機種を選びやすい | 将来の拠点増加や機能拡張を見込んで検討したい場合 |
| SAXA SSシリーズ | 国内サポート網を活かした運用サポートに強みがある | 導入後の設定変更・保守をベンダーに任せたい場合 |
| SonicWALL | コストと機能のバランスを重視した製品構成 | 本体・ライセンス費用を抑えつつ基本機能を確保したい場合 |
※上記は一般的な傾向であり、実際の型番・スペック・費用は、通信量や拠点数などの利用条件によって変動します。正確な比較には個別のヒアリングが必要です。
全機能を有効にした状態での実効スループットを確認せず、カタログの最大値だけで機種を決めてしまうと、導入後に「通信が重い」という声が出ることがあります。
本体価格が安い製品を選んだものの、必要な機能のライセンスを追加すると総額が想定より高くなるケースがあります。
見積を比較する際は、本体・ライセンス・更新費用を含めた総額で確認することが必要です。
将来の従業員増加や拠点増加を見込まずに機種を選ぶと、数年で処理能力が不足し、早期の買い替えが必要になることがあります。
概算費用を確認したい方へ
UTMの本体・ライセンス費用は、拠点数・回線速度・必要な機能によって変わります。
予算申請や社内検討のために、まずは概算見積をご依頼ください。
見積を依頼する前に、以下の情報を整理しておくと、比較検討がスムーズになります。
これらが整理できていると、複数社から見積を取った際に、スペック表だけでは見えにくい違いも比較しやすくなります。
RIKEN TOKYOでは、UTMの機種選定から見積・導入・運用まで一貫して対応しています。
| 支援内容 | 具体例 |
|---|---|
| 現状ヒアリング | 従業員数・回線構成・拠点数・利用状況の確認 |
| 機種選定・提案 | FortiGate、SAXA SSシリーズ、SonicWALLなど複数メーカーからの比較提案 |
| 見積作成 | 本体・ライセンス・設置費用を含めた総額の見積提示 |
| 導入・設定 | 機器設置、ネットワーク設定、ライセンス設定 |
| 運用支援 | ファームウェア更新、設定変更、保守対応の相談 |
特に、「複数メーカーを比較したいが、スペック表の見方に自信がない」「オフィス移転や複合機の更新とあわせてネットワークも見直したい」という場合に、ICT環境を横断して相談できる点が強みです。
UTM選定で押さえるべきポイントを整理します。
機種選定に迷った場合は、スペック表を単独で見比べるより、自社の利用状況を整理したうえで相談することが近道です。
複数メーカーを比較検討したい方へ
FortiGate・SAXA SSシリーズ・SonicWALLなど、自社の利用状況に合わせた比較・見積が可能です。
カタログ上の最大スループットではなく、IPS・アンチウイルスなど全機能を有効にした状態での実効スループットと、同時セッション数です。カタログの最大値のみで判断すると、実際の利用時に処理が追いつかないことがあります。
本体価格だけでは判断できません。UTMは多くの場合、IPS・アンチウイルス・Webフィルタリングなどの機能ごとにライセンス費用が発生します。本体・ライセンス・更新費用を含めた総額で比較することをおすすめします。
変わります。本社に通信を集約する構成か、拠点ごとに接続する構成かによって、必要なスペックやVPN設計が異なります。拠点数が多い場合は、UTM単体の比較よりも、ネットワーク全体の設計とあわせた検討が現実的です。
従業員数・拠点数・現在の回線速度・Web会議やクラウドサービスの利用状況・優先したい機能を整理しておくと、比較検討がスムーズになります。
できます。RIKEN TOKYOでは、情シス不在・兼任の企業でも、現状のヒアリングから機種選定・見積作成まで支援しています。