「バックアップ」と一言で言われても、フルバックアップ・差分バックアップ・増分バックアップ・3-2-1ルール・RPO/RTOなど、専門用語が多くて理解が追いつかない、という担当者は少なくありません。
結論からお伝えすると、用語の意味を正しく理解することが、自社に合ったバックアップ体制を選ぶ第一歩です。
この記事では、バックアップに関する基本用語をわかりやすく整理し、中小企業がどこから判断すればよいかを解説します。
バックアップとは、パソコンやサーバー上のデータを、別の場所や別の記憶媒体にコピーして保管しておくことです。
機器の故障、誤操作による削除、ランサムウェアによるデータ暗号化など、さまざまな原因でデータが失われた際に、コピーしておいたデータから業務を復旧できるようにするための備えです。
「バックアップを取っている」という企業でも、種類や保管方法によって、実際に復旧できるかどうかは大きく変わります。まずは基本用語を整理しましょう。
バックアップの方式には、主に3つの種類があります。それぞれ復旧のしやすさと、保存にかかる時間・容量が異なります。
| 項目 | フルバックアップ | 差分バックアップ | 増分バックアップ |
|---|---|---|---|
| 内容 | 全データを毎回コピー | 前回のフルバックアップからの変更分をコピー | 前回のバックアップ(フルまたは増分)からの変更分をコピー |
| バックアップ時間 | 長い | 中程度 | 短い |
| 復元のしやすさ | 高い(1つのデータで完結) | 中程度(フル+差分の2点が必要) | 低い(フル+すべての増分が必要) |
| 保存容量 | 大きい | 中程度 | 小さい |
多くの企業では、週次でフルバックアップを取得し、日次で差分または増分バックアップを組み合わせる運用が一般的です。
どの組み合わせが適切かは、業務で扱うデータ量や、復旧までにかけられる時間によって変わります。
バックアップの種類だけでなく、対策の考え方を表す用語も理解しておくと、ベンダーとの会話や社内での検討がスムーズになります。
3-2-1ルールとは、「データを3つ保持し、2種類以上の異なる媒体に保存し、そのうち1つは離れた場所(オフサイト)に保管する」という、バックアップの基本的な考え方です。
社内サーバーとクラウドを組み合わせるなど、保存場所を分散させることで、災害やランサムウェア被害の際にも復旧できる可能性を高めます。
RPO(Recovery Point Objective)は「どの時点のデータまで復旧できればよいか」を表す目標値、RTO(Recovery Time Objective)は「障害発生からどのくらいの時間で業務を復旧させたいか」を表す目標値です。
この2つを決めておくと、バックアップの頻度や方式を選ぶ際の判断基準になります。
イミュータブルバックアップとは、一定期間、データの変更や削除ができない状態で保存するバックアップ方式です。
ランサムウェアに感染しても、バックアップデータ自体が書き換えられないため、復旧の頼りになります。
用語を理解していても、運用面でつまずくケースは少なくありません。
定期的にバックアップは取得しているものの、実際に復元テストを行ったことがなく、いざという時に正しく復元できなかったというケースです。
バックアップは取得することよりも、復元できることの確認が重要です。
バックアップデータの保存先が、本番環境と同じネットワークに接続されていると、ランサムウェアに感染した際にバックアップデータごと暗号化されてしまう恐れがあります。
ネットワークを分離する、オフラインの媒体を併用するなどの対策が必要です。
何から始めるべきか迷っている方へ
ツール選定の前に、まずは業務課題と優先順位を整理することが大切です。
RIKEN TOKYOでは、現状の困りごとを伺ったうえで、無理のない進め方をご提案します。
用語の意味がわかったら、次は自社の状況に当てはめて判断する段階です。
| 判断項目 | 確認すべきこと | 失敗しやすい状態 |
|---|---|---|
| 復旧目標 | RPO・RTOをどこまで許容できるか | 目標値を決めないまま機器を選んでしまう |
| 保存場所 | 3-2-1ルールに沿えているか | 本番環境と同じ場所にしか保存していない |
| 復元確認 | 定期的な復元テストの有無 | バックアップを取るだけで満足してしまう |
| 運用体制 | 情シス担当者不在でも回せるか | 属人化してしまい、担当者不在時に対応できない |
セキュリティ対策全体における優先順位については、中小企業のセキュリティ対策、何から始める?UTM・EDR・バックアップの優先順位を解説でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
公的機関の指針としては、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の中小企業の情報セキュリティ対策ガイドラインでも、バックアップの取得が基本対策として位置づけられています。
RIKEN TOKYOでは、バックアップ体制の現状整理から、機器・クラウドサービスの選定、運用設計まで支援しています。
情シス担当者が不在・兼任の中小企業でも、無理なく進められる体制づくりをご提案します。
| 支援内容 | 具体例 |
|---|---|
| 現状整理 | 現在のバックアップ方式・保存先の棚卸し |
| 設計 | 3-2-1ルールに沿った保存構成、RPO・RTOの目安設定 |
| 導入 | バックアップ機器・クラウドサービスの選定と設定 |
| 運用 | 復元テストの実施支援、定着後の見直し提案 |
バックアップの用語について、押さえるべきポイントを整理します。
バックアップ体制でお悩みの方は、RIKEN TOKYOにお気軽にご相談ください。現状の困りごとを伺ったうえで、無理のない進め方をご提案します。
導入したい機器やクラウドサービスがある程度決まっている場合は、スピードお見積りからもご相談いただけます。
データ量や復旧にかけられる時間によって異なります。一般的には、週次のフルバックアップに、日次の差分または増分バックアップを組み合わせる運用が現実的です。詳しい設計はRIKEN TOKYOの無料相談でご相談ください。
必須ではありませんが、オフサイト保管の手段としてクラウドは有効な選択肢です。社内サーバーと外付け媒体、クラウドを組み合わせる方法もあります。
相談できます。RIKEN TOKYOでは、情シス不在・兼任の中小企業でも進めやすいように、現状整理から導入・運用まで段階的に支援します。