「うちはMicrosoft Defenderが入っているから大丈夫」と考えている中小企業は少なくありません。
結論からお伝えすると、標準搭載のDefenderと、有償版のDefender for Businessでは守れる範囲が大きく異なります。
この記事では、Microsoft Defenderの種類ごとの守備範囲、それだけでは足りない部分、中小企業がとるべき判断基準、RIKEN TOKYOに相談できることを解説します。
Microsoft Defenderとは、Microsoftが提供するセキュリティ製品群の総称です。
「Defender」という名前が付く製品が複数あり、無償のものと有償のものが混在しているため、まず整理することが大切です。
| 製品名 | 位置づけ | 主な機能 | ライセンス |
|---|---|---|---|
| Microsoft Defenderウイルス対策 | Windows標準搭載 | リアルタイムのマルウェア検知・駆除 | 追加費用なし |
| Microsoft Defender for Business | 中小企業向け(最大300人) | EDR、脅威と脆弱性の管理、一元管理ダッシュボード | 有償単体、またはBusiness Premiumに含む |
| Microsoft Defender for Office 365 | メール・Teams向け | フィッシング対策、添付ファイル・URLの検査 | Business Premium等に含む |
| Microsoft Defender for Endpoint(P1/P2) | 中堅〜大企業向け | 高度な検知・調査・対応(EDR/XDR) | E5等の上位ライセンス |
多くの中小企業が使っているのは、Windowsに標準搭載された「Microsoft Defenderウイルス対策」です。
これは無償ですが、あくまで端末単位のウイルス対策にとどまり、組織全体を横断した管理はできません。
標準搭載のDefenderでも、以下のような基本的な脅威には対応できます。
端末が少なく、管理者が一台ずつ状態を確認できる規模であれば、標準Defenderだけでも最低限の保護は確保できます。
ただし、これは「攻撃を防ぐ」ことに主眼を置いた機能であり、「侵入されたあとにどう対応するか」までは想定されていません。
標準搭載のDefenderには、中小企業のセキュリティ対策として次のような限界があります。
標準Defenderは「侵入を防ぐ」ための仕組みが中心で、万一侵入された場合に脅威を検知・追跡・隔離するEDR(Endpoint Detection and Response)機能は含まれません。
ランサムウェアの被害は、侵入後にどれだけ早く気づけるかで被害の大きさが変わります。
標準Defenderは端末ごとに動作するため、「どの端末が危険な状態か」「対策が漏れている端末はないか」を組織全体で一覧・管理する仕組みがありません。
情シスが不在・兼任の企業ほど、この一元管理の欠如が見落としにつながりやすくなります。
フィッシングメールや、添付ファイル・URL経由の攻撃は、標準Defenderの対象外です。
これらはMicrosoft Defender for Office 365など、別のライセンスで対応する領域になります。
標準Defenderはあくまでクライアント端末向けの機能です。
社内ネットワークの出入り口を守るUTMや、サーバー側の対策は別途検討が必要です。
RIKEN TOKYOの視点
RIKEN TOKYOのお客様でも、「Defenderが入っているから安心だと思っていた」というお声を多くいただきます。
実際にライセンスを確認すると、Microsoft 365 Business Premiumをすでに契約しているにもかかわらず、Defender for Businessの機能が有効化されていないケースも見られます。
追加のツール導入を検討する前に、まず今契約しているライセンスで何が使えるかを確認することをお勧めしています。
Defenderを軸にセキュリティ対策を検討する際は、以下の基準で整理すると判断しやすくなります。
| 判断項目 | 確認すべきこと | 標準Defenderで不足しやすい状態 |
|---|---|---|
| 端末数・拠点数 | 何台の端末を、誰が管理しているか | 端末が増え、目視での管理が追いつかない |
| 侵入後の対応体制 | 感染に気づく仕組みがあるか | アラートが出ても気づく人がいない |
| 取引先からの要求 | セキュリティ要件を求められているか | 対策の証跡・報告を求められている |
| 既存ライセンス | Microsoft 365は何を契約しているか | Business Premiumなのに機能を使えていない |
| メール経由の攻撃対策 | フィッシング対策はあるか | 標準Defenderだけで完結していると思っている |
上記のいずれかに当てはまる場合は、標準Defenderのみでの運用にリスクが残っている可能性があります。
Defenderを中心にセキュリティ対策を進める場合、次の順番で検討すると失敗しにくくなります。
いきなり高機能な製品へ切り替えるのではなく、今あるライセンスを活かせるかどうかを最初に確認することが、コストを抑えながら対策を進めるポイントです。
概算費用を確認したい方へ
Defender for Businessへの切り替えや、追加のセキュリティ製品導入にかかる費用は、契約ライセンスや端末数によって変わります。
予算申請や社内検討のために、まずは概算見積をご依頼ください。
RIKEN TOKYOでは、Microsoft Defenderを軸にしたセキュリティ対策の相談から導入・運用まで支援しています。
Microsoft 365全体の活用状況を踏まえて、既存ライセンスの範囲でどこまで対策できるかを一緒に整理できる点が特長です。
| 支援内容 | 具体例 |
|---|---|
| 現状整理 | ライセンス確認、端末・アカウントの棚卸し |
| 設計 | Defender for Businessの有効化、Entra ID・Intuneとの連携設計 |
| 導入 | 設定・展開、UTM等の周辺対策との組み合わせ |
| 運用 | アラート対応体制の整備、定期的な見直し |
Microsoft 365の活用状況をまだ確認できていない方は、まず以下のチェックから始めることもできます。
まずは自社の状況を確認したい方へ
Microsoft 365を導入済みでも、メールとTeams以外を使えていない企業は少なくありません。
RIKEN TOKYOでは、活用状況を整理できる「Microsoft 365 活用度チェック」をご用意しています。
セキュリティ対策全体の優先順位について整理したい方は、あわせて以下の記事も参考になります。
Microsoft Defenderで押さえるべきポイントを整理します。
自社のセキュリティ対策がDefenderだけで足りているか不安な方は、RIKEN TOKYOにお気軽にご相談ください。
現状のライセンスと運用体制を伺ったうえで、無理のない進め方をご提案します。
端末数が少なく、管理者が状態を把握できる規模であれば最低限の保護にはなります。ただし、侵入後の検知・対応機能がないため、端末数が増えるほどリスクが残ります。
Defender for Businessの機能はBusiness Premiumに含まれていますが、有効化や設定が必要な場合があります。まずは契約中のライセンスで何が使えるかご確認することをお勧めします。
設定自体は可能ですが、初期設定や運用ルールの整備には専門知識が必要な場面もあります。RIKEN TOKYOでは、情シス不在・兼任の企業でも進めやすいよう、設定から運用体制づくりまで支援しています。
業種や取引先の要件によります。高度なセキュリティ基準を求められる場合は、Defenderに加えてUTMや専用EDR製品の検討が必要になることもあります。まずは現状の要件整理からご相談ください。